六年一組、本紛失事件
「大丈夫だろう! 図書委員の二人がちゃんと管理してくれるよ」

「心配なんです。この二人だから」

「そんな。あなたの大事かもしれない本だけど、興味のない人が盗むと思う?」

 ひとみはさっそく文句が言った。

「読まなくたって、こいつらいたずらで本を隠したり、または、本に落書きすることもありうるぞ!」

「そんなことは私がさせない」

 やけにひとみは自信があるようだ。

「渋革さんにそんな力があるとは思えないけど」

「どんな本を持ってくるのか知らないけど、理々君失礼じゃない?」

「どうして?」
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