六年一組、本紛失事件
「お前、これくらいも知らないで、どうすんだ? それに今の首相はブレアじゃないし」

「た、助けてください……」

 田脳は高基教諭にすがるように寄り添ってきた。

「ふざけんな! 小学生から勉強をやり直せ!」

「そ、そう言われてもどうすればいいんですか?」

「そうだな、まず小説とか読め!」

「は、はい、わかりました」

 高基教諭と田脳が騒いでいたので、音楽準備室のドアが開いた。出てきたのはもちろん藤美教諭であった。

「あら、田脳さん遅いわね」

 藤美教諭は言った。そして、チラチラと高基教諭も見ていた。
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