あなたの指先で酔わせて。
「デザイン画上がらないとか、どういうこと!?
気合いを入れてあげてもらいなさい。」



バタバタと、書類を持ちながら走る部下を尻目に、キーボードを叩く。


ここ、数日は締め切りが重なりすぎて、限界に達していた。


出社したら、床で倒れて、死んだように寝ているプログラマ。

ラフ画を見ながら、必死に画面を起こすディレクター達。



皆、限界に達しているのは、目に見えてわかるんだけど、これが、WEB業界の真実の姿だ。

ただ、モノが出来上がった時の喜びを考えると、頑張ってしまう。


…… まさに、ドラッガー状態なんだ。





皆の姿を再度見渡して、資料を印刷に出した。


んーっと、背伸びをして、名刺入れを取り出した。

今日の打ち合わせには、初対面の人がいる。

名刺の準備をしておかないと。



そう思い、名刺の枚数を数えた。



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