小さな姫

私は、何だかんだ言って女だ。やっぱ男より力がない。だからって負けない。一発、一発きちんと相手の弱い所に殴っていく。





朔蛇の総長は、確かに強い。だけど、すきがありすぎる。だから私は、楽勝に勝てた。拓も楽勝だったみたい。

私は朔蛇の総長から勝った。そして、倉庫から出ようとした時



「………ひとつだけいい事を教えてやる。」

朔蛇の総長が言ってきた。



「あの凉って奴を殺したのは……………俺だよ。っっハハハハハハハァ。」

狂ったように笑い出した。


詩「な……………………に?」


「俺はお前が好きだった。だから、あいつが憎かったんだよ。しかも、拉致ったのも凉目当てだしっっ。お前ら勘違いしすぎなんだよぉ〜♪しかも、鉄パイプで殴ったの俺だしっっ。オヤジが警察に手回して揉み消したんだよ♪知らなかっただろ〜((笑」






この時、私の中で何かが壊れた。



「ざけんな!!!」



私は朔蛇の総長にのしかかりひたすら殴った。
…………もう誰も私を止められない。自分でもわかってる。こんな事しても、何にもなんないって。だけど、止まんない。この怒りをどこにぶつければいいかわかんない。ねぇ、どうしたらいいの……………凉。こんな事を思いながら殴り続けていた。









その時、倉庫の扉が開いた。そこには、白虎の5人が立っていた。




それでも、私は気ずかずに殴り続けていた。









そして、――――…………パシ

私の拳を止めた。
止めたのは…………………蓮。


「離せよっっ。…………こいつ……だけ………は……許さね……………」



「止めろ。それ以上したらこいつは死ぬ。そんな事したらお前はこいつと同じだぞ。」


「それでも…………いい…………」



そして蓮が怒鳴った。

「目さませよ!!お前がこいつ殺したら黒虎の仲間はどうなんだよ。お前は仲間大事にしてんじゃねーのかよ。今のお前は総長でいる資格ねぇーぞ!!!!!」



私はチームのみんなを見た。泣いてる奴もいれば、青ざめた顔の奴もいた。





そんな、みんなを見ながら私は倒れた。





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