彼と私の関係〜もう1つの物語〜



週末、バーの最寄り駅に着いたのは20時前。


真央はかれこれ2時間近く時間を潰しているはず……


私は駅から腕時計を何度も見ながら走っていた。


勢いよく地下へ続く階段を駆け降りる。


乱れる呼吸を整えながらドアを開けるとカランカランとベルが鳴り、カウンターの奥に座っていた真央と目があった。



「ごめん!遅くなっちゃって」


「大丈夫だよ。私も残業してたから」



だけど灰皿には数本の吸殻があったようで、私が確認したと同時にマスターが「失礼します」と交換していた。


突然の登場にほんの少しだけ慌てた様子で。





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