彼と私の関係〜もう1つの物語〜
垣間見た一瞬
「はぁ〜」
入社して2年が過ぎた。
営業成績は順調に伸びていて、私も社内で時々ベスト10に入るようになっていた。
だけど……
「う〜っ」
事務処理は相変わらず苦手だ。
今日も真央から訂正された書類が机の上に置いてあった。
『相変わらず事務処理は進歩がないな』
彼にも苦笑される始末。
私は書類を前に、またまた深い溜め息を付いていると
「岡本さん。なんか暗〜いオーラが漂ってますよ?」
振り返ると、上原課長の部下である佐々木さんに声を掛けられていた。
「分かる?」
「分かりますよ、それだけ落ち込んでると」
佐々木さんは目を細めて微笑んでいる。