彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「向こうの両親は離婚しても構わないって言ってるんだよな?」
上原さんの問いかけに彼は困ったような顔をしながら微かに頷いた。
真央は目を見開き両手を口にあてたまま固まっていて。
私は彼に何て声を掛けていいのか分からなかった。
てっきり幸せな結婚生活を送ってるとばかり思ってたから。
会社でもそんな辛いようには全く見えなくて……
「奈央?」
「ご、ごめんなさい」
気が付くと私はポロポロと涙を零していた。
慌ててテーブルに置いてあったハンカチを手にすると涙を拭った。
「私、全然知らなくて。ズカズカ入りこんで……ホントに……」