彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「冷たい?」
不意に問われる彼からの質問に、私はすぐに答えられなかった。
「……どうして?」
「砂を踏みしめる音が変わったから」
彼はこうして優しく気遣ってくれる。
――そこに恋愛感情がなくても。
他社の女性社員からの度重なる誘いだって、こんな事が積み重なった結果。
誰だって勘違いするよ……
だけど……
――勘違いだと思い込んでもいいですか?
私を後押しするかのように聞こえる優しい波の音。
「私……」
――貴方にずっと片思いしてました。