彼と私の関係〜もう1つの物語〜
近くにある、あまり人の多くなさそうなセルフのコーヒーショップに入るとホットコーヒーを頼んで席に着いた。
コートのポケットから昨日切り抜いた記事と携帯を取り出し、もう一度記事を読み返してから電話をかける。
呼び出し音が鳴る間、私はただ窓から見える人通りを眺めていて。
『株式会社△△です』
女性の声が聞こえたので、求人誌を見て連絡した旨を伝えた。
面接の日時と場所が告げられ、記事を裏返し鞄からボールペンを取り出すと言われた通りメモを取る。
『お名前を頂戴できますか?』
「あっハイ。岡本 奈央<オカモト ナオ>と言います」