彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「私を……」
――抱いてください……
無言で彼の胸へしがみつく。
「……拓海……さん」
心の中で呼んでいた彼の名前が零れてしまった。
同時に彼の腕の力が強まる。
「遊びじゃない……ホントに奈央が好きだから……」
その後に続いた彼の言葉に私は無言で頷き……
もつれるようにベッドへと倒れ込んだ。
彼の重みを感じ、これから始まる事に震える。
「今なら……引き返せる」
顔の横に両肘を付いた彼は、きっと理性を保っているのだろう。
――壊したい……
彼の素顔を見たい……