彼と私の関係〜もう1つの物語〜



今日は先に仕事が終わったので、私が帰宅してから作ったパスタを食べながら拓海が口を開いた。



「そういえばさぁ」


「何?」


「奈央っていつから俺に惚れたの?」



素顔の拓海は、喜怒哀楽をしっかり顔に出す年相応の男性だった。


物静かで穏やかな会社の顔とは全く違う、私だけに見せる素顔。



「え〜内緒?」


「何で?」


「だって、恥ずかしいでしょ」


「知りたいな」



フォークをお皿に置くと、肘を付いて指を組んだ両手の上に顎を乗せていて。


しっかりと聞く体制を整えている。



これは話すまでこのままかも知れない……





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