彼と私の関係〜もう1つの物語〜
産んであげられなくて……
ごめんね。
パパの顔を見せてあげられなくてごめんね。
この世に生を受けても……
貴方は幸せになれないんだ。
こんな勝手なママを……
「……許……して」
お腹に手を当てて何度もそこに居る授かった命に語り続けていた。
「奈央」
どれくらいお腹に手を当てていたんだろう。
兄の呼びかけに顔を上げると
「とにかく、明日病院に行こう。付き添うから」
穏やかに笑う兄に私は泣き笑いしかできなかった。