彼と私の関係〜もう1つの物語〜
私は久しぶりに実家のベッドで眠った。
気が付くとお腹に手を当てていて。
母性なのかもしれない……
漠然と思っていた。
翌日、兄は私の会社へ連絡を入れてくれた。
対応したのは拓海らしく。
「はい、はい。こちらの都合で申し訳ありません」
兄は真面目な顔で彼と話している。
拓海と兄はそんなに歳が違わない。
兄は拓海の事をどう思っているのだろう?
最低な男だと思ってるんだろうな。
結婚してるのに私に手を出してと考えているのだろう。
だけど、さすがに営業職とあって声にはそんな気配を微塵も見せない。