彼と私の関係〜もう1つの物語〜
上原部長に頼まれたコピー資料を空いている段ボール箱に詰める。
「部長!どこに置いておきますか?」
「あ〜会議室」
「じゃあ、持って行っておきますね」
よいしょと気合を入れて段ボールを持ち上げようとした瞬間。
「ダメだろ」
振り返ると険しい顔をした拓海が立っていて。
「これ机の上に置いてきて」
鞄とスーツの上着を渡されると、私の代わりに段ボールを抱え上げ事務所のドアを開けた。
呆然と背中を見送った後、ハッとして周りを見ると事務所にいた数人の社員が怪訝そうな顔をしている。