彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「ごめんね。今まで黙ってて……」
「ううん。私もあんまり深く聞いていいのか分からなかったから」
真央は気付いていたんだ。
「どうぞ」
マスターから差し出されたグラスに入っていたのはXYZ。
2人でグラスを鳴らして1口含む。
ハァと溜め息を1つ零してから
「藤井さんと付き合ってるの」
――私は真央へ話し始めた。
最初に見た時から一目惚れをしたこと。
最初は奥さんがいるからと気持ちを隠していた事。
4人で飲んでから少しずつ距離が縮まって、誕生日に2人で食事に行った事。