彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「私は、先に藤井さんが奈央に惹かれたんだと思うんだけどな」
「あはは。それはないよ、絶対に」
真央の勘違いは私を少しだけ嬉しくさせた。
だけどね、真央?
私はこの会社に入る前から拓海に惹かれてたんだよ?
ホントの事を隠して……
ごめん……
だけど話す勇気が……
今の私にはないんだ……
「それだけ?」
「え?」
「何かあったんでしょ?」
「……っ」
「奈央、ここ最近……」
「……最近?」
「得意先の担当者からも心配する連絡があったんだよ?」
「……」
「私には話せない事なら仕方がないけど。だけど今の奈央には話し相手が必要に思えるんだ」