彼と私の関係〜もう1つの物語〜
後はそれぞれの担当者に仕事でお世話になった事へのお礼と突然の退職を詫びた。
中には携帯へ連絡をくれる担当者もいて「うちの会社においで」と言ってくれる人もいる。
暖かい言葉に涙を堪えながらも丁寧に辞退した。
部屋も解約する。
拓海との想い出が詰まったここには居られないから。
これは真央とも約束した私なりのけじめ。
すでに私の中では……
拓海と別れる意志を固めていた。
これ以上……
彼の重荷になれない。
なりたくない。
慌ただしく、だけど綺麗に全ての身辺整理を片付けた10日後、外の喫茶店へ拓海を呼び出した。