彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「気さくだけど緊張するよな、社長だと」
「だけどよさそうな感じの会社だよな」
上村さんと畑中さんの会話に私と片瀬さんは頷いていて。
こうやって片瀬さんを見ていると年相応に見える。
――なんだか仲良くなれそうな気がするな。
彼女が私に視線を合わせた。
「同期だし歳も近いし、奈央って呼んで?」
「うん。じゃあ私も真央で」
「分かった、真央」
「よろしく奈央」
改めて握手をした。
戻ってきた社長は開口一番
「昼からは営業部で研修するからな」
そう言うと、新しいA4サイズの用紙を配り始めた。