彼と私の関係〜もう1つの物語〜
『近いうちに飲みに行くから』
たった一言のメールだったけど、それがすごく嬉しかった。
真央とは結局、このバーで飲んでからは直接話をしていない。
そして……
拓海は時々、このバーに1人で来ては静かにグラスを傾けていた。
――そう、私達は結局別れなかった。
何度も何度も拓海を説得した。
だけど、絶対に首を縦に振る事はなかった。
このバーに雇われて少ししてからマスターに相談した。
その時、私は吹っ切る事ができた。
『奈央さん自身の気持ちはどうなんですか?』