彼と私の関係〜もう1つの物語〜
人を見た目で判断してはいけない。
本当にそう思えた。
そして……
佐々木さんが真央に向ける特別な視線は、ただのファンじゃないと思ってしまった事。
あれは……
佐々木さんが本気で真央が好きなんじゃないかと。
伝わらない想いを抱えて、逃げられない現実に縛られて。
「辛すぎるよ……」
だけど、真央にはもうすぐ結婚する修ちゃんサンが居る。
佐々木さんには同情できるけど、真央の幸せだけは壊さないで。
真央を迷わせないで。
真央を……
私と同じ道に引き摺り込まないで。
「お願い……」
目を閉じて震える両手を握りしめ、ただそれだけを祈っていた。