彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「奈央、藤井さんとはうまくいってるの?」
「藤井さん?うん、相変わらずだよ。何か言われた?」
「ううん。別に」
――やっぱり何かあるの?
「昨日電話があって、今日は行けそうにないって言われたかな」
冷静を装いながら様子を伺ってしまう。
真央から差し出された空のグラスを受け取ると、作りたてのXYZをコースターの上に置く。
真央は最近の会社での出来事や、今日の忘年会の話を掻い摘んで聞かせてくれて。
その内容には特に変わった様子もない……
ただの思い過ごし?
そう考えた時だった。