彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「あの時?」
「そう、辞表を出した時」
「あ〜正直思ったかな」
言いにくそうにする真央に思わず笑みが零れる。
「私もリセットしようと思ったんだ」
「だけど……今も続いてる」
「そう、続いてる」
結局今も拓海が傍に居て、穏やかな日々を過ごしている。
「いろいろあったね」
いろんな想いが籠った言葉が真央の口から零れる。
「で、真央は何かあった?」
「え?」
さりげなく聞いたけど、真央の表情は驚きで一瞬だけ目を見開いていて。
カランと音が鳴り、真央から目線を逸らすと常連さんの顔。