彼と私の関係〜もう1つの物語〜
コーヒーを入れたマグカップを手にしながら呆れたように言う拓海を私は完全にスルーする。
美味しいものは美味しいし!
拓海が来るまで安眠を貪っていたとは思えないぐらいのペースで折り詰めの寿司が私の口を通っていく。
穏やかに微笑む拓海を尻目に、気が付くと完食した私。
「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした」
知らない間に入れてもらったホットコーヒーが目の前に出される。
ありがとうとお礼を言うと、色違いのマグカップを両手で包みこんで一口飲む。
香ばしい豆の匂いが漂っていて。
「あれ?インスタントじゃない?」
「もしかして気付かなかった?」