彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「真央、昨日何かあったの?」
「何?急に」
「昨日、店に来たの」
拓海は微笑んでいた表情を少し曇らせている。
きっと、昨日の事を思い出しているんだろう。
拓海からの言葉を待つ間、入れてもらったコーヒーを啜る。
やっぱりインスタントとは違う。
「……そういえば」
何か思い当たったのだろう、拓海はボソッと呟いた。
ローテーブルに置いてある煙草に手を伸ばしながら、何?と話を促す。
拓海はコーヒーを一口、口に含んでから言葉を発した。
「佐々木と2人で話してたな」
何気ない一言に私の心臓はうるさくなる。
「どんな……話?」