彼と私の関係〜もう1つの物語〜
懸念
真央の事が頭の隅に引っ掛かりながらも忙しかった。
気がつけばすでに新しい年を迎え、冬を越し春を迎えていた。
世間で言うGWとは無縁の職業。
私はこの春から正社員としてこのバーで働いていた。
といっても内容は何も変わらない。
ただ、厚生年金や健康保険を給料から天引きされる。
それでも思わず遠慮してしまいそうなぐらいの金額が銀行に振り込まれた。
マスターに話すと「奈央には将来があるから」と言って微笑むばかり。
マスターの有難い好意に素直に甘えた正社員としての初給料で、拓海に何か買ってあげようかと考えていた。