彼と私の関係〜もう1つの物語〜



「当たり前でしょ。ちゃんとスパイを雇ってるんだから」


「スパイって藤井さん?」


「あんまり役に立たないけど、ここ一番の観察力は尊敬してる」



真央の視線が揺れたのを確認して、話して欲しいという想いを込めてもう一度促す。


真央はポツリポツリと佐々木さんの名前を伏せたまま、順を追って話し始めた。



きっかけ、告白、体の関係、佐々木さんの過去、そして修ちゃんサンの事。



「どうしていいのか分からなくなって」



今まで見た事のない真央がそこにいた。


真央の事を変えてしまうぐらい佐々木さんの存在が彼女の中で膨れ上がっているという事実を目の当たりにした。





< 344 / 393 >

この作品をシェア

pagetop