彼と私の関係〜もう1つの物語〜
私の心臓は壊れるんじゃないかってぐらい激しく動いている……
「藤井です。えっと、どっちが岡本さんでどっちが片瀬さん?」
初めて聞く彼の声は思っていたより少し高かったけど、私の耳には心地よくて。
「……央、奈央!」
ハッと気が付くと真央が怪訝な顔をして私を呼んでいて、藤井さんは首を傾げている。
「お、岡本です。よろしくお願いします」
真っ赤になっている顔を見られないように深く頭を下げた。
まさか……
――こんな再会が待っていたなんて……
私はこの世に神様は存在するんだと真剣に思えた……