彼と私の関係〜もう1つの物語〜



「真央は……夏が終わる前ぐらいまでは私との結婚に対してはすごく後ろ向きだったんだ。きっとまだ自分の中で結論が出てなかったんだろうね」



静かにコーヒーカップを置いた修ちゃんサンはさりげない仕草で煙草に火を付ける。



「秋になってから連絡があってね。『ごめん』って。それから前のように私との事を前向きに進めてくれるようになったんだ」



そう言うと、修ちゃんサンの目が私の顔へと向いた。



「奈央さんが真央の背中を押してくれたんだと、なぜかそう思えたんだ」



もしかしたら、バーで最後に会った日の事なのかもしれない。



――『電話する』



真央は確かにそう言った。





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