彼と私の関係〜もう1つの物語〜
フォークにパスタをクルクル巻きつけながら真央は彼と話していて。
「岡本さんは?」
「まだまだ、分からない事だらけです」
辛うじて、変に思われないぐらいの間隔で返事ができた。
彼の声に聞き惚れていると、ついつい返事が遅くなる。
使えない部下と思われてる?
物覚えの悪い頭の悪い子が入ってきたと思われてる?
不安ばかりが頭を過り、ますます返答が遅れてしまう。
真央は時々首を傾げているけど、私の気持ちは話せていない。
――まさか上司が好きだなんて、入社1週間ではいくらなんでも早すぎるから……