彼と私の関係〜もう1つの物語〜



「岡本さん……これ間違ってる」


「えっ!すいません」



彼に提出した報告書。


手招きする彼の元へキャスターの付いた椅子ごと移動すると、電卓を叩きながら正しい数字を液晶画面に表示させていた。


その数字は1ケタ違っていて……



「わわわっ!すいません!」



私は慌てて自分の席から修正テープとボールペンを掴むと、報告書を修正した。



「事務処理が欠点だね」



心地よい彼の声には少しだけ笑いが含まれていて。


私は真っ赤になりながらもう一度すいませんと謝った。







< 45 / 393 >

この作品をシェア

pagetop