彼と私の関係〜もう1つの物語〜
「誘ったのはアイツなのになぁ」
上原課長はビールを飲みながら私達に話しかけてきた。
「すごく貴重なものを見た気分です」
真央の台詞に振り返ると煙草に火を付けていて。
フーッと煙を吐き出すと私に「ねっ!」と首を傾げて微笑んでいる。
上原課長は私達のやり取りを見ながら
「なんでアイツが俺を誘ったか分かる?」
「え?約束してたんじゃないんですか?」
「俺らが前もってってのはないなぁ。今日はアイツ上機嫌でさ」
上原課長は私の顔を見ながら他社の女子社員を虜にする笑顔で
「岡本っちゃんのせい?」
「わ、私ですか?」
――やっぱり出来ない部下の愚痴なのだろうか……?