彼と私の関係〜もう1つの物語〜



「今日、1人で商談を成立させたんだろ?」


「あっ、ハイ。でも藤井課長の言われた通りに交渉しただけです」



そう、彼はあらかじめ学生でいう『予想問題』らしき資料を作ってくれて



『頭に叩きこんでから行って来い』



そう言って送り出してくれたんだ。


彼の資料通りに事が運び、相手の条件もすべて彼が予想したものばかりで、私は頭に叩き込んでいた答えを先方に伝えただけ。



「俺ら、今年初めて『部下』っていうものを持ったんだ。だから最初の部下の岡本っちゃんが商談を成功させたのが嬉しかったみたいでさ」





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