彼と私の関係〜もう1つの物語〜
◆3:distance…距離…◆
同僚と友人
入社して1年を過ぎると、私にも少しずつだけど新規開拓ができるようになり、固定客も付き始めた。
すると、どんどんと営業の仕事が楽しくなる。
だけど……
――相変わらず苦手なものはあって……
プルルル、プルルル
デスクの電話が内線の音を奏でる。
液晶画面を見ると『内線:片瀬』とあり、溜め息を零しながら昨日提出したばかりの報告書ファイルを出しながら受話器に手を伸ばした。
「もしもし」
『片瀬です』
「お疲れ様です」
『お疲れ様です。今、お時間大丈夫ですか?』
「……はい」
『昨日、提出していただいた報告書なんですけど』
――やっぱり間違ってた……