彼と私の関係〜もう1つの物語〜
少ししてから保留音が途切れ、私は彼の有能さを改めて実感した。
『とりあえず、すぐ戻ってきて。上原と一緒にプレゼン資料つくるから。段取りはこっちで帰社するまでに整えとく。
あと担当の岩井さんに連絡入れてお礼言っておいて。次は上司と伺うからっていうのを忘れずに』
短時間でたくさんの事を言われるけど、事務処理と違って彼の指示も瞬時に頭に叩きこめるようになった。
「今から岩井さんに連絡して、すぐに帰ります」
『気を付けてな』
彼も少し興奮しているのか、声がいつもより少しだけ大きくなっていて私は嬉しくて仕方がなかった。