彼と私の関係〜もう1つの物語〜
私は鞄を置くため席へ戻ろうとすると
「岡本さん、早くおいで」
彼に呼ばれて、慌てて鞄から筆記用具とスケジュール帳を取り出すと小走りで後を追いかけた。
「先に行ってて」
彼は上原課長と私に断ってから、真央の居る事務所へ入って行く。
上原課長と2人で会議室に入ると、ホワイトボードに書かれていた数字を消して、打ち合わせに備える。
ガチャリとドアが開き、彼と一緒に社長が入ってきた。
「大手柄だってな」
社長の声もどこか少しだけ上擦っていて。
私はホントに大きなチャンスをもらったんだと実感した。