彼と私の関係〜もう1つの物語〜
4人でプレゼンに向けての打ち合わせが始まった。
細かい段取りが次々と決められ、私はだんだんと嬉しい気持ち以上に不安になっていく。
無言の圧力……
――失敗は許されない。
「来月までは、いろいろ大変だろうけど全社員でバックアップするから、頑張ろうな」
社長の締めの言葉を聞いても、私は俯くしかなかった。
長い打ち合わせが終わり、社長と上原課長はプレゼンの話をしながら会議室を出て行った。
「どうした?」
椅子から立ち上がらない私を不思議に思ったんだろう。
彼は入口で振り返って声を掛けてくれていた。