彼と私の関係〜もう1つの物語〜





トイレに行って、真っ赤になった目を鏡で見る。



――まぁ、プレゼンがダメだったから言い訳にはなるかな?



真央は先に本社の事務所へ戻っていた。


泣いて気恥ずかしいと思ったのを分かっているかのような彼女の心遣いに感謝していた。


コンタクト用の目薬をさしてから、トイレを出て自分の事務所へ戻る。



――この1年で癖になった事。



事務所に入ると、必ず彼の席を一番に確認する。


外回りから戻ったのだろう、席に座っていた彼と目があった。


キュッと口元を引き締めると、真っ直ぐ彼の元へ向かう。



「プレゼン、ダメでした」



私の報告に彼は頷き、周りからは落胆の声が聞こえた。





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