私の王子様
「ほら、陽菜、もう荷造りは終わったから車に運ぶの手伝って!」
ボーっと突っ立っていたら、すぐにこきを使われる。
だから、逆にシャキンとしていたほうがよい。
「陽菜~!そこの荷物とってくれ」
「へいへい」
どんどん荷物がつみさっていき、最後に私の荷物を入れようとしたとき……
「あ、その荷物はいらないぞ」
私の荷物を受け取らず、積んだ荷物を整理しはじめたお父さん。
え?
いやいやいや、
「これ、私の荷物だよ?」
「知ってるよ。だからいらない」
いらないって……
脳ミソ腐ってきてんのか?
クソ親父。