月光~moon light~
「可愛そうに。 お前は関係なかったのにな」
そう言って、
あたしの顎を掴み、
獲物を捕らえる目であたしを見る男。
「でも残念だよ。
何も覚えていなかったなら家に帰してやれてたかもしれないのに」
ガクガク震えるあたしの頬を撫で、微笑む。
「立て」
あたしの腕を掴み、
立ち上がらせようとしたその時____
「助けて...お願い」
そう呟き、
あたしの記憶はプツリと途絶えた。