月光~moon light~



掴んだクロの腕には

大きな傷後があった。


刃物か何かでエグられたような傷。



「痛い?」



そっと傷口に触れてみても、

クロが痛がる様子はない。



「大丈夫なの?」




それどころか、


焦るあたしの手を捕まえ、

クロはグッと顔を近づけてきた。



「な、何?」



違う意味で焦ったあたし。




でも、





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