君にきらめく花束を。







 「俺は… 俺は…!!」







 ... その時



 ―― キーンコーンカーンコーン





 学校内に

 チャイムが鳴り響いた。


 「……今度教えろよな」




 少し不機嫌そうに言い

 秋斗は席に着くため
 俺の傍を離れていった。







 「…………あぁ」



 俺は小さく呟き

 1番後ろの窓際の席
 ――――俺の席に


 着いた。







 「みんなおはよう!!」




 担任が

 いつも右手に持っている
 赤い籠を今日も持ち


 教室へ入ってきた。








 「先生おはよー」


 「おはようございます」




 口々に生徒は

 担任に挨拶を返す。






 ……そんな

 いつもと変わらない朝。




 なのに俺は


 ――いつもと違う。






 だって今日は…













 「みんな注目!!



  この子が転校生の



  ――藍沢陽菜さんです!!」












 9年ぶりに


 想い続けた好きな人に
 再会できる日だから。














.。
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