…いつも君を想う
マンションの彼女の部屋に着くとドアを開けて"どうぞ"と言われた


「お邪魔しまーす♪」


部屋中に漂う彼女の甘い香りにクラクラして倒れるかと思った


乙女チックな部屋を想像していたのに予想に反してシンプルな感じだった


テーブルにソファーにテレビ…


「私ごちゃごちゃ物を置くの好きじゃないの」


彼女はそう言って対面式のキッチンで夕食の準備を始めた


「手伝おっか?」


「今はいいからゆっくりしてて」


「解った」


俺はソファーに座りテレビを点けた


どうしようかと思いごろんと横になった…


「……君……慧君…起きて!」


彼女の顔が近づいて吃驚して飛び起きた


「ご飯できたよ?」


最悪…眠ってしまった


「ごめん寝てた…なんか落ち着くこの部屋」


「クスクス…よく寝てたよ」


テーブルでは鍋がぐつぐつと煮えて湯気をたてていた
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