プリマへの扉
「………大丈夫…です。」


「………。」


その時
「母さんー!」


2階から先輩の声が聞こえてきた。


その声で私はハッと我に返り


「先生……行って下さい。…先輩が…呼んでます…」



先生は私に気を使いながらも


「じゃあ…ちょっと待ってて。すぐ戻ってくる。」



そして応接室で一人になった。



一人になって色々考えてみたが
やはり私が言ったバレリーナという言葉が頭から離れない。



私はこないだまでバレエをやめようかとも思っていたのに…



でもバレリーナになる、と口にだしたら……

なんか…心の中のもやもやが晴れた…というか…
何故かスッキリした。



自分の事なのになぜか自分の事だと思えなくて…



変な気持ち……



そんな事を思っていると
応接室の扉が開いた。


でもそこに立っていたのは…
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