プリマへの扉
えっ?!?!
今…なんて言った!…?


「な……な…んで…どうしてですか?」



「あなたの拒食症という病気はかなり進行しています。退院してしばらくは低カロリーの食事から始めるのはいいでしょう、
しかしコンクールまでの間このままの食事ではいけません。
しっかりしたカロリー摂取をしなければまた同じことになります。」


「でもどうしてもコンクールを受けなければならないんです。」


「お気持ちは分かります、しかし今弱った体でハードな運動は危険です。
進行すれば命にも関わってきます。」


「でも……」

ずっと頑張ってきたのにあっさり止められないよ。


「バレエの事はよくお母様と相談なさって下さい。今日は星野さんの病気がこれからどのようになっていくのか説明に来ました。」


「…はい。」


「拒食症のレベルは人それぞれで星野さんは味覚まで影響が出ているのでかなり重度です。
たいていの患者さんは拒食症により自分がかなり痩せているのにも気づきません。自覚がないので治療も辛く、困難です。
退院後、何回か病院に来てもらい毎回ちょっとした検査をしてもらう、ということになります。」
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