恋するgirl★~番外編~
店内へと続く細い通路へ出ると、
「真ぁ子ちゃん。」
「竹田くん?」
そこには壁に手を突いて通路を塞ぐようにして、竹田くんが笑顔で立っていた。
「竹田くん、私、先に……」
「ねぇ、一緒に店出よ…?」
私の言葉を遮って、竹田くんは私を壁と自分で挟む。
や…嫌。怖い。
危険を察知したのか、さっきまでほわんとしていた思考がちょっとハッキリした。
「や…竹田くん。やめて?私彼氏が…」
「年上の彼氏くんだったっけ?
最近ほったらかしで寂しいだろ?…」
「そんなこと…」
「大丈夫。俺、慰めてあげるよ…」
耳元で囁かれ、寒気がした。
嫌。怖い。助けて凉さんっ。
そう思いながら、迫ってくる竹田くんの顔に固く目を瞑った。
「おい、誰の女に手ぇ出してると
思ってんだ?」
え?
目を開けると、仕事終わりのスーツ姿で
竹田くんを容赦なく睨みつける…
「…凉さん?」
凉さん…すごく怒ってる?
「俺の女に手ぇ出して、どうなるか分かってんだろうな?」
「す、すいませーんっっ。。」
慌てて逃げるようにして竹田くんは店内へ戻ってしまった。