アオゾラ<上>
女達は軽蔑した目で男を見てきた。
「ま、あんま言いたくないけど、関わんなきゃフツーに可愛い子じゃん。顔もスタイルも他の子よりは全然いい奴じゃん。」
・・・さっき一瞬見ただけだけど確かに整った顔立ちをしていた。
パッと見たからわかんないが。
「確かに・・顔は可愛いし初めてみた時フランス人形みたいだと思ったし。」
フランス人形ねぇ・・・
「でもアイツ全然笑わない喋りかけても全然答えないし。まじで人形みたいで怖ぇーよ。」
男達の言葉に引っ掛かった。
んじゃぁ何で俺に話しかけてきたんだ?
そんな無愛想な奴が。
そう思っていた奴は他にもいたみたいだ。
「でも不思議なのは何で奏に話しかけたのかって事だよな?」
「だよなぁ~笑わない人形がだよ?」
笑わない人形?
「ねぇ?その子って笑わないの?人形みたいなの?」
興味津々の顔をしてニコッてしながら質問すると女達は少し顔を赤らめていた。
キモいわー・・何嬉しそうな顔をしてんの?
恋なんてくだらねぇ。
愛なんて尚更だ。
赤の他人をどう信じろというんだよ?
ってか俺恋した事ないからわかんねぇな、告白されたことならあるけど。