愛してたのにごめんなさい
とはいえ、これ以上厄介事に巻き込まれるのも嫌だったから、

「それならよかったわ、じゃあ」

と今度こそ背を向けて帰る…つもりだったのに

「待って!」
呼び止める声
「今度は何?!」
反射的に言った

「何って、借りたんだから、今度返したいんだけど、連絡先教えて」

300円くらいで…

「それくらいいらないから、いいよあげる!」

ほぼ相手も見ずに後ろ手に手を振るしぐさをして歩き出した。

「待てって!」
今度は持ってたカバンを掴んで軽く引っ張られた
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