Bコース
「笑ってごまかしてんのバレバレだよ。」


チェッ、バレたか。


「まぁ、昨日の今日で彼女の自覚も出来ないだろうから、今は許すけど、この先も同じ事したら、怒るから。」


なんか上から目線じゃない。


高校生のくせに。


「それで、どこから記憶ないの?」


「駅の改札ぐらいまでは覚えてるんだけど。」


「駅までかよ。
まぁ熱高かったし、仕方ないか。」


そうよ、熱でフラフラだったんだから。


「うんじゃ、眠くなるまで話してあげる。」


頭を優しくなでてくる。


「それから、タクシーでここに着いて、バックに入ってた鍵でドア開けた。
小百合が住所言って、バックから鍵だしたんだよ。
覚えてないみたいだけど。
今その鍵は俺が使ってるからね。」


はい、覚えていません。


なるほど、私の鍵使ってんのか。


「ドアあけて、少ししたら、子供二人出て来てびっくりだよ。」


たぶん、達也と千春の方がびっくりしたはず。


「達也なんて千春背中に隠してんの。
俺不審者あつかいだったんだよ。」


完全に不審者だったでしょうね。
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