俺様保健医の甘い罠《fin.》
まかせてと胸を張る美香さんは、ウチにニコリと笑いかけた。
これは……天使の微笑み!
なのに久世は悪魔……。
天使と悪魔の兄妹や…。
「じゃあ、俺帰るから」
「えー!」
「また来る」
「本当?その時は、冬姫ちゃんも来てね」
パァッと顔を輝かせたお母様は、ウチを見て微笑んだ。
「はい」
玄関まで見送りに来てくれた美香さんとお母様。
名残惜しいけど、暗くなる空に後押しされるように、賑やかだった久世家を後にした。