俺様保健医の甘い罠《fin.》
オレンジの温かい光がウチを照らして、ちょっとだけやけど寂しさが薄らいだ気がする。
――コンコン。
「はい?」
「俺」
ドア越しだからか、少しだけくぐもっている久世の声。
「なに?」
起き上がってドアを開けると、気だるそうな久世がいた。
「露天風呂行くってよ」
「わかった!」
一旦ドアを閉めて、準備をしてから久世と並んで露天風呂に向かう。
別々に別れて、ウチは女湯と書かれた暖簾を潜る。